瀬戸を代表する陶芸家、六代目川本半助の青磁陽刻陶板を出品致します。青磁陽刻自体が極めて難しい技術であることに加えて、本作は更に製作が難しいとされる陶板として作成されています。まさに美術館収蔵レベルの作品と言って良いでしょう。更に、山水図を上絵で描き、諸所に散らした菊花を上絵彩色しています。 当時の技術の粋を尽くした作品です。 裏面には、川本半助の銘と並んで、大日本横浜井村製の銘がありますから、川本半助が製作して、井村彦次郎商店が明治時代に輸出した品物であることがわかります。 寸法は、縦が27.5cm、横が39cmです。ワレ、ヒビ、カケなどの瑕疵のない未使用に近い状態です。 以下は、川本半助の略歴です。 六代川本半助(1844〜1995)は、義兄五代半助(後の川本桝吉)に陶技を学びました。五代半助が分家して川本桝吉を名乗るようになると、慶應元年に六代目川本半助を襲名しました。六代目川本半助は、細工物の名人と言われ、陶刻・透かし・陽刻・貼付などを施した美術作品を多く残しました。第一回〜第四回内国勧業博覧会で受賞を重ね、フィラデルフィア万博やパリ万博でも受賞しています。 注: 私の出品写真と説明文をそのまま盗用して、格安で販売しますという詐欺サイトが最近いくつかあるようです。呉々も騙されないようにご注意下さいませ。